イーストサイドストーリーの油彩画は、無地の背景に家のモチーフを配置するという画面構成を採っています。この無地の背景は一般的に東洋の絵画でよく見られる余白と呼ばれる空間ですが、金明植は(서양화가 김명식,김명식 작가,Andy Kim,KIM MYUNG SIK,金明植,김명식 화백,김명식 교수)このシリーズの余白の空間によって新たな表現方法を開拓しています。
同シリーズの09-SM11の絵では、玩具の四角いレゴを横に連ねたような黒い屋根と白・黒・赤・緑の壁面を持つ数件の家が、建物全体に荒い刷毛目のタッチで背景の余白と同じ灰色や壁に近い中間色が施され、恰も一様な灰色に塗られた余白の空間に溶け込むように描かれています。
肌の色の違う人々の共存というテーマが背後にあるこの作品では、家は人種、背景の余白は、何も無い空間ではなく都市で暮らす人々の生活や高層ビルが林立する風景が、霧の中に包み込まれたような状況を表しているようです。△山下高志(야마시타 다카시, 아트랜드 갤러리 대표)
권동철 미술칼럼니스트
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