▲ Fortune 16-1, 108×89㎝, Korean Traditional paper, Natural dyes, 2016

画壇で韓紙に対する研究風土が本格的に造成され始めたのは、80年代初めからか、それ以前に先駆的な作業があった。東洋画を専攻したクォン・ヨンウ(1926-2013)は、かつて60年代初めから画仙紙の豊富な造形的な可能性に注目して試してみた結果、国展に特選するなどの絶大な業績を残した。ソ・スンウォンは1971年に開かれた[A.G]展で、縦横それぞれ91センチの正方形の韓紙14点からなる連作を展示して、実験的な作業の先例を見せた。

単色画と関連させてみると、1980年代初頭は韓紙(KOREAN PAPER)の中興期ということができる。パク・ソボは、キャンバスに油絵具で描いた従来の<描法>連作から切り替えて韓紙を使用することにより、材料上の一大革新を図った。

▲ Ensemble 17-43, 104×87㎝, Korean paper Natural dyes, 2017

チョン・チャンソプ(1927-2011)も<黙考>の連作を通じて、韓紙の特性の一つである豊かな可塑性を利用して独創的な作業を遂げていった。単色画の代表作家の一人であるキム・ギリンはそれ以前の1970年代初めから韓紙を使った作品を試した。キャンバスの上に韓紙を20〜30枚ほど重ねて貼り、黒色の絵具で塗るといった作業を繰り返した。彼の<見えるものと見えないもの>の連作は、韓紙の豊かな物性を試した作品である。

チョン・ヨウンリョル(1934-1988)は、1970年代後半から韓紙に絶大な関心を見せた。彼は、初期は韓紙(KOREA PAPER)を一種の台紙として使っていたが、80年代に入って逝去するまで韓紙自体の造形的な可能性を実験して、独自の世界を開拓していった。イ・ハンソン(1919-1997)は、フランスのパリに住んでいた1970年代から韓紙の仕事に没頭、数種類の韓紙を自由にコラージュして、その上に韓紙にもとを置いた抽象的な形のイメージを描く抽象画の連作を製作した。

△文 =ユン・ジンソプ (美術評論家)/윤진섭(미술평론가)