▲ Gate of Time(071803)_diameter 35cm_Acrylic on canvas_2018

瞬間の中に完結され た美を追求した作品は、今や持続の段階に進入した。円の中の別の円、その間に緻 密なスポークが伸びている「時間の門」は、まるで太陽のように見える。それは、人類 が現われる前から存在し、人類が去った後にも存在する、永劫回帰の軌道を回る。

このような宇宙的次元の事件は、地上でも繰り返される。円の間の空間の中に花が 広がっている作品群は、地上における永劫回帰の直感的モデルとして、植物を連想 させる。植物学者たちは、真冬には木が死んだように見えても、翌年にまた花を咲かせ、人間に復活について考えさせたと語った。

ムン・スマン 作家(서양화가 문수만,ARTIST MOON SOO MAN,文水萬 作家)の作品で、花は、有機的な形をしているが、対を成して対称的に配置されている。それは、自然の内在率を繰り返している。彼にとって自然は、単なる外観 ではなくプロセスであり、このようなプロセスにはリズムがある。脈打つ心臓を持つすべての生命体には、直感的にリズムに対する選好がある。

▲ Bluehole(021803)_diameter 21cm_Acrylic on Canvas_2018

作家は、機械的パター ンの繰り返しではなく、命の律動を真似ているのである。作品の間の関係もリズミカ ルである。展示場の壁にかけられた輪のような丸い形は、動かずとも動いているか のような幻影をもたらす。大きなものも、小さなものも、同じ密度と強度を維持して いる別の直径の作品は、展示場の壁で、仮想の遠近感を形成する。

例えば、小さなも のは遠くにあるもの、大きなものは近くにあるように思われる。それらは左右、そし て前景と後景の間にも動いているように見える。それらは、その場で回っているだけ でなく、前後、左右にも動く。惑星が自転しながら恒星を公転しているように、動きは 複数の次元において同時的である。ここで空間は時間化する。

彼の作品には多くの層があるが、今回の展示では、発掘された遺物のように、ゆる やかな時間の層を刻印する。下から上がってくるものもあるので、時間の地層とも 表現できるだろう。それらは単に時空の裏側に消えるわけではない。古い皮が消え ると、新しい実が現れるためである。

▲ Bluehole(131803)_diameter 25cm_Acrylic on Canvas_2018

作品の上下層の関係は、本質的には、キャンバ スにアクリルで描かれた絵画的な作品に、潜在的な運動感を付与する。あるものは浮上し、あるものは沈む。丸い形には秩序感があるが、重なりと層の中で途切れそう につながる線は、秩序感を瓦解させる要素である。正しい形は埃と化している。エン トロピー(無秩序)は増加している。

叩いて作った作品という意味の「Klopfen」は、中間層に対称的に配列された8つの円を含めて、円の中に円が繰り返されているが、最も大きな円の作品の外郭は、円の世界に内在する安定感を瓦解させ得る力が動 く。

△文-李仙英(美術評論家)/글=이선영(미술평론가)