▲ Before and After, 130×160㎝ Acrylic, crystal Mother of Pearl on Canvas, 2019

貝とクリスタルに関する限り,チョン·ヒョンスクは今や高いレベルに達している。 10年以上の歳月をこの二つの材料に没頭してきた結果だ。筆と絵の具を使う代わりに,一種のオブジェである貝と小さなクリスタルのかけらをカンバスに貼り付けた。この作業は,非常にきつい反復的動作を必要とし,長い精神的緊張状態を維持しなければならない。

そうして鄭賢淑が作り出す世界はとても小さな単位が集まって一定の配列を成す中で現れる秩序の世界だ。秩序はある原則と法式を必要としているが,それは鄭賢淑の場合,それなりの製作方式となる。チョン·ヒョンスクの制作方式は,彼女自身が考案したものとして特殊なものになり,彼女のノウハウであると同時に長所でもある。

芸術において,これは非常に重要な要素であるとともに,評価の対象となる。こうした観点から見ると,鄭賢淑(정현숙 작가,크리스털&자개 단색추상화가,서양화가 정현숙,Dansaek abstract art of crystal and Mother of Pearl,JEONG HYUN SOOK,미니멀컬러 아티스트 정현숙,Minimal Color Artist JEONG HYUN SOOK,정현숙 교수)の作業は今日芸術(fine art)の起源である古代ギリシャの"テクネ(techne)"を思い浮かばせる。

古代ギリシャで今日の芸術を意味する"art"は技術という意味の"techne"であり,それは朝鮮術や織造術のように日常の中に存在することだった。古代ギリシャ的意味においてこのテクネに必須なのが,まさに法式(rule)だった。

くもの巣に着目した織物術が,横線と縦糸の交織という法式を必要としていたように,正賢淑作業でもやはり横と縦の拡張という法式が存在する。そして,それは,貝とクリスタルが日常的な事物のように日常的な領域に属するという点で,ポストモダンの円環的性格,すなわち"モダン(modern)"が"フギモダン(postmodern)"に遡り,"モダン移転(premodern)"に遡るような様相を見せている。

△ユン·ジンソプ 美術評論家/윤진섭 미술평론가/Yoon Jin Sup Art Critic