▲ Before and After, 43×39㎝ Acrylic, crystal and Mother of Pearl on Canvas, 2019 콜라보

貝とクリスタルはチョン·ヒョンスクが作品を作る時に使う主材料だ。いずれも発光物質というのが共通点だ。虹色が織り成され,五妙で柔らかく,玲瓏たる光を放つ螺鈿と眩しく輝く光を放つクリスタルは,そのような点で昔から工芸の材料として脚光を浴びてきた。

美術大学で洋画を専攻したチョン·ヒョンスクが筆と絵の具ではなく,貝とクリスタルを作業の主材料に使用するようになったのは個人の趣向も働いただろうが,日常と芸術,構想と抽象,純粋美術と工芸など,これまで厳格に区分されてきたモダニズムの層位(hierarchy)と慣例が崩れつつ,各要素が入り混じったポストモダンな状況も一役買った。

今は,どれが高級芸術であり,どれが低級芸術といった等式と区分がなくなり,一方ではこれまで劣等なものとされてきた価値が,文化の前面に浮上することになったのだ。 第3世界の芸術や民俗芸術、そして工芸と同じ場合がまさにそれだ。

もちろん、チャゲとクリスタルを絵画の主材料に使う作家は、チョン·ヒョンスクだけではない。それらはパピエ·コーレ(papier-colle)をはじめとし、コラージュ(Collage)、アッサン·ブラージュ(Assemblage)などの表現技法が現代美術の風景に非常に親しんでいるように漸進的に拡散している。しかし,筆と絵の具が依然として絵画の主材料として定着した状態で,このように異質的な材料が続々と絵画の範疇の中に編入されているのだ。

まるで実用新案特許を出すように,新しい材料の発見はそれだけ会話的表現の可能性の幅を広げる要因になる。したがって, 鄭賢淑(정현숙 작가,크리스털&자개 단색추상화가,서양화가 정현숙,Dansaek abstract art of crystal and Mother of Pearl,JEONG HYUN SOOK,미니멀컬러 아티스트 정현숙,Minimal Color Artist JEONG HYUN SOOK,정현숙 교수)の作業はこうした時代的背景を念頭に置いた時にその意味を見出すことができる。

△ユン·ジンソプ 美術評論家/윤진섭 미술평론가/Yoon Jin Sup Art Critic