▲ East Side Story10 AD10 116.8×91.0㎝, 2010

「高徳里 1994-02」の作品では、山や川、木や花といった記憶を紡ぎだすイメージが本来の形や大きさから離れて自由かつ大胆に単純化され、加えて、まるで子供のように荒々しいタッチで青・灰・黒の重く沈鬱な色と赤・黄・緑の軽快で陽気な色を与えられることによって、キャンバスの上で瑞々しい命を与えられています。

▲ East Side Story 10-JA200, 260.6×160.2㎝ Oil on canvas, 2010

こうした高徳里シリーズ作品は、都市生活の便利さや快適さという文明の恩恵と、一方で、故郷の懐かしさや安らぎという精神的な恩恵の間で揺らぐ人々の心の切実な現実の在りようを映し出しているようです。

▲ East Side Story10-JO14, 53.0×45.5㎝, 2010

「高徳里」のテーマに10数年間取り組んできた金明植は(서양화가 김명식,김명식 작가,김명식 교수,Andy Kim,KIM MYUNG SIK,金明植,김명식 화백)、2000年代に入ると一転してニューヨークにアトリエを構え、「イーストサイド ストーリー」という新たな主題を手にします。

▲ East Side Story 10-JA101, 90.9×72.7㎝, 2010

1999年の冬、ソーホーの画廊街にある喫茶店で偶然目にした通りを行き交う白人や黒人、黄色人などの人種と、ニューヨークの電車の窓を通り過ぎる遠方の家がヒントになり、「人間と家」という2つの対象を組み合わせて生まれたのが「イーストサイド ストーリー」シリーズでした。

△山下高志(야마시타 다카시, 아트랜드 갤러리 대표)