▲ FRACTAL, Ø120㎝ Acrylic on Canvas, 2016

 

花や蝶、さらには虚空や亀裂のような繊細な素材を、船に塗る外装材で堅固に 仕上げた彼の作品は、閉じておくことで開かれるという逆説がある。完璧なものだ けが「共生」できる。それぞれの断片は、一つの茎を切り落とした断面のように、シリーズごとに同様の相を持つ 。茎が通時的であれば、断面は共時的である。ある茎 の断面のような形状は、自足性と連続性を同時に満たす。それらは、過去と未来を持ちながらも、満たされた現在を享有している。それらは、存在しながらも生滅している。切り取った短編のような作品は、最大限に含蓄された瞬間を盛り込むことで、空間芸術が時間を処理する別の方法である。そのような方法は、部分を部分 として放置することなく、部分の中に全体を盛り込むことを可能にする。

 

▲ Finding Flow

 

観客は、こ のような不連続性の中で連続性を再構成することができるだろう。ある作品は、花 が溢れんばかりに広がっており、ある作品には蝶が一匹ずついたり、ある作品には 虚空に何もなく亀裂だけがある。皿にも似た丸いキャンバスは、虚空が込められている。端と端がつながった丸い枠は、無、または無限を込めるのに適した象徴的形式で ある。それは、無限を盛り込む有限としての性状や、芸術の属性を最大化する。「陶工」シリーズで、作家は、空白に対する抵抗(たまは恐怖)を持つ観客のために、染みや明度に変化を与えている。亀裂に満ちた青磁色の虚空を表現した作品 [Filling empty-2]は、万物が由来するある表面を弾いてさまざまな地形を作り だす神的行為を想起させる。[調香]シリーズと、[脈]は、中心から外部に広がって いく香りや音のような力の流れを示している。

 

▲ 陶工の翼, Ø37.5㎝ Oil &Acrylic on Canvas, 2016

 

そのようなエネルギーが物質化すると、作品の表現のように山や谷のような姿になるだろう。山や谷をはじめ、「すべての固 体は、いつかはエネルギー」(ミシェル・セル)だったはずである。それはまた、他のシリーズで表現される蝶の脈のように、生命体にも偏在するエネルギーの網である。ム ン・スマンの作品で、脈は、クラックのような微細な方法で具現されることもある。温度と圧力の影響を受ける微細な亀裂は、つながっていたものからの断絶を暗示 する。断絶は、連結を暗示する。彼の作品で、断絶されたように見える太い脈は、その下で相互につながっている。

 

▲ Finding Flow

 

[Finding Flow] シリーズは、様々な青磁色の ベースに花の形状を配置し、時には中心と外郭の間の空間を、複雑な模様で埋 め尽くし、迷路での彷徨を通じて悟りを得る曼荼羅のようである。円形のキャンバス は、停止した中での動きを内包している。しかし、スポークの中心のように、中央は静かである。時には、[調香-04]のように、作品の中心にすべてのものが生まれた り、吸い込まれる渦巻きが潜在している。小さいながらも無限の空間を盛り込んだ ような作品において、空(から)の中心は大きな役割を持つ。ジャン・サレム(Jean Salem)は、『古代原子論』で、宇宙を無限と見た哲学者エピクロス(Epikuros) を紹介している。「渦巻きから生まれる世界の数は無限である」と言ったエピクロス のテーゼは、空の中心に潜在的な動きがあるムン・スマンの作品にも適用される。△李仙英(美術評論家)

 

▲ 脈, Ø110㎝ Acrylic on Canvas, 2016

 

 

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